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メッセージ from フォーラム

『永遠の0(ゼロ)』は家族の愛の映画です

2013.12.1

 お正月映画の大本命、『永遠の0』の上映が始まりました。満席スタートというはなばなしいものではありませんが、アニメやファミリーピクチャーと違って、劇映画は初日に満席というのはほとんどありません。息の長い上映になると思いますので、結果的にはこの映画がお正月No.1の大ヒットになると思われます。

 原作はすでに450万部も読まれていますし、主人公がどうしても生きて帰りたいと願った家族への想いが、原作以上にていねいに描かれていますので、観た人のクチコミで、誰もが観るべき国民映画になっていくと、確信しています。

 原作者の百田尚樹さんが、現職の政治家と交際したり、政治的な発言をしたりして、かなり批判を受けているようですが、映画『永遠の0』は決して好戦映画ではありません。主人公が、日米開戦前からの職業軍人だからといって、皆が好戦論者というわけでもありません。家が貧乏だと、師範学校に入って学校の先生になるか、士官学校に入って軍人になるかしかないという時代にあって、安定した職業として軍人になった人も多かったのです。

 また、当時日本とアメリカの国力の違いは圧倒的で、日米開戦はすべきではないと考える人が多かった海軍が、やるなら短期決戦と開戦に踏み切り、ミッドウェー海戦以降、ずるずると負け続け、ベテランパイロットを次第に失って、新たに養成したパイロットはほとんど実戦経験もないまま、特攻要員としてただただ死に追いやったというのが史実です。

 日米開戦当時、確かに零戦は世界最高性能の戦闘機でした。だからベテランパイロット同士の1対1の空戦なら必ず勝てた時代もありました。しかし、米軍が零戦には2機一組で対戦するという戦法を決めたり、零戦に匹敵する性能の戦闘機が投入されたあとは、「パイロットの命を守る」ための装備を省くことで基本性能を上げた零戦は、被弾すれば必ず火を噴き、パイロットが命を落とすという「空飛ぶ棺桶」になっていたのです。しかも、わずかな訓練しか受けず、実戦経験の乏しいパイロットが特攻していっても、敵艦に近づく前に撃ち落されて死んだというのが現実でした。

 ほとんど戦果が得られなくなっても、飛べる飛行機がなくなるまで特攻を続けた日本の海軍と陸軍は、日本人に対する組織的な戦争犯罪とも呼ぶべき愚策を終戦まで続けたのです。

 私たちの父や祖父たちは、あの戦争の被害者です。私たちの子や孫たちが再び戦場に送られないように、原作を読んだ人も、まだ読んでいない人も、映画『永遠の0』は必ずご覧ください。

 外国映画の中では、これまでになかった新しさの『ゼロ・グラビティ』がおすすめです。無重力の宇宙空間に投げ出されたような浮遊感を体感できる映画です。

 1月31日からの『アメリカン・ハッスル』はゴールデングローブ賞最多7部門ノミネートの秀作です。FBIが、天才詐欺師を使って政治家を罠にかける"アブスキャム"作戦という'70年代の実話をもとにした映画で、ぐいぐい引き込まれます。アカデミー賞ノミネートも有力だと思われます。

 2月7日からの『ラッシュ プライドと友情』はF1の実話を題材にした"人生の映画"です。深い映画ファンにもおすすめです。私はただのF1映画だろうと軽く流し観していたら、しだいに惹きつけられ、ラストで全貌が明らかになると感動に包まれます。後日、もう一度最初から構えて観直したほどの、傑作娯楽映画です。

 邦画では1月25日からの山田洋次監督の『小さいおうち』は、中島京子の直木賞受賞作の映画化。黒木華扮するお手伝いさんは山形出身という設定です。

アート系、単館系では、フランソワ・オゾン監督の『危険なプロット』は外せません。

旧作では、カトリーヌ・ドヌーヴ主演の『暗くなるまでこの恋を』が懐かしい。

他にもデジタル・リマスターで旧作が続々と登場します。お楽しみに。

明けて2014年もどうかよろしくお願いいたします。

2013年12月21日
(フォーラムネットワーク 代表 長澤裕二)