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『海街diary』しみじみとお楽しみください

2015.5.1

 『海街diary』 ©2015吉田秋生・小学館/フジテレビジョン 小学館 東宝 ギャガ 公式サイトはこちら http://umimachi.gaga.ne.jp/ 『海街diary』を二度観ました。一昨年の

 『そして父になる』があまりに身に迫る大傑作だったので、2作続けて傑作は生まれないと、タカをくくって観ていたのですが、大間違いでした。恐るべし是枝裕和!彼は天才です。 『そして父になる』は、子供を取り違えられた親の立場で観たので、心穏やかではありませんでしたが、『海街diary』は4姉妹の話なので、割と冷静に、客観的に見ることができました。けれど映画が終わる頃には、登場人物全員が身近でいとおしくて、もう一度初めから見直したくなりました。二度目を見て、さらに原作を読んで、この映画は今年のベストワンだと確信しました。

 15年前、不倫に走った父が家族を捨てて出て行き、その2年後に母も再婚して出て行き、残された3人の娘とおばあちゃんが暮らしてきた鎌倉の古い家。5年前にそのおばあちゃんも亡くなり、20代になった娘3人だけの暮らしになった。そこに父親が亡くなったという報せが来る。父が働いていた山形の温泉旅館を訪ねると、そこにいたのは腹違いの中学生の妹すず。その子の母親はすでになく、遺されたのは父の再婚相手の継母とその連れ子。そんなわけで、末の妹すずを鎌倉に迎えて一緒に暮らすことになった4姉妹の、新しい家族のお話です。

 映画は約1年のお話になっていますが、現在6巻まで出ている原作の漫画は3年にわたっていて、映画に入っていないエピソードもたくさんあります。続編を作ろうと思えば、作れないこともないかもしれませんが、きっと作らないだろうと思わせる完成度です。まだ半年しか経っていませんが、今年の日本映画ベストワン、確定です。

 お待たせいたしました。いよいよ『セッション』の上映が順次始まります。アカデミー助演男優賞受賞も納得の怪作です。実人生ではこんな先生には会いたくない!という怖さを持った、すさまじい映画です。

 『愛を積むひと』はタイトルを聞くと大甘のメロドラマのようですが、原作のタイトルは「石を積むひと」です。おすすめします。

 今月のもう一本は『アリスのままで』。若年性アルツハイマー病に罹った言語学者の映画です。記憶を失うということは、死ぬことと同じなんだと思い知りました。アカデミー主演女優賞を獲得したジュリアン・ムーア迫真の演技をお楽しみください。

 『トゥモローランド』は試写室が混んで、まだ観れていません。ソラリスのスクリーンで初日に観ようと思っています。

2015年5月25日
(フォーラムネットワーク 代表 長澤裕二)