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2017.3.29

『ムーンライト』が愛される10の理由

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 作品賞を間違えるという驚きのハプニングで注目を浴びることになった今年のアカデミー賞ですが、キャストもスタッフもほとんどが無名の黒人である『ムーンライト』が作品賞を受賞したことは歴史的な快挙です。一部では、昨年のオスカーを白人が独占したことに対する反動だという声も上がっていますが、実際に映画を観れば、そんな政治的な理由付けがいかに不要かということがわかるはず。映画を愛する世界中の人から絶賛される本作は、人種や性別を超えて観る者に語りかけ、映画の豊かさを再認識させてくれるのです。

 

1. テーマはアイデンティティの追求

 犯罪の多いマイアミのスラム街で麻薬中毒者の母親に育てられ、学校ではいじめられている主人公のシャロン。しかし描かれているのは、シャロンの悲惨な状況そのものではなく、彼が自分の居場所を探し求め、自分を愛し、誰かを愛するという、あらゆる人間に普遍的な感情である。

 

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2. 圧倒的な映像美

 スラム街が舞台でありながら、映像が色彩豊かで息をのむほど美しい。自身もマイアミ出身であるプロデューサーのロマンスキーいわく、「マイアミの光は直射日光が強いが、空気に含まれる湿気のおかげで、周りを取り巻く木々の緑と相まって、光は痛いほど美しい。映画を見れば、それが分かるはずだ」

 

3. 主人公を演じる3人の俳優に共通する瞳

 シャロンの人生を3章に分け、3人の別々の俳優が演じている。風貌は全く似ていない3人だが同じ雰囲気の瞳を持ち、説得力に欠けることはない。キャスティングディレクターは「3人には3つの時期を一貫して流れる、内なる脆弱性という共通の特徴があり、それを目で表現することができた」と語る。

 

 4. 父親代わりのフアンを演じる、マハーシャラ・アリ

 家庭でも学校でも孤独なシャロンだが、ある時助けてくれた麻薬ディーラーのフアンには心を開き、父親のように慕っている。麻薬を売る一方で、優しくシャロンの面倒を見るフアンという一見矛盾した人物を、リアルで人間的に演じたマハーシャラ・アリは、見事アカデミー賞助演男優賞を受賞した。

 

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5. ブロンズのように光り輝く肌

 実際の映像に色を足して加工していくカラーリストの存在により、黒人俳優たちの肌が美しく光り輝いている。これほど黒人の体を美しく撮った映画は史上初であり、今後の映画界の常識が変わるだろうと言われている。

 

6. ストーリーを語る音楽

 時と共に変貌を遂げるシャロンの人生と伴走するかのように、音楽が全編を通して情感豊かに綴られる。音楽を担当したニコラス・ブリテルは「ジェンキンスの脚本は多くのシーンが美しく、愛情と思いやりに溢れ、感性に満ちている」と語る。「音楽のハーモニーがシャロンの心の動きに合わせて微妙に移り変わるようにしたかった」というブリテルは、様々な音楽素材や音やアイデアを試しながら、シーンを印象付けていったという。

 

7. シャロンの心に秘めた恋の行方

 孤独を抱えながらも、幼いころから友人のケヴィンにだけは心を許せるような特別な感情を抱いていたシャロン。それが恋愛感情かもしれないと悟りながらも、どうすることもできずにその気持ちを胸の奥にしまい込む。そんなけなげな恋を応援せずにはいられない。

 

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8. 共通の記憶を持つふたりの表現者 

 本作の原案はタレル・アルバン・マクレイニーの戯曲「In Moonlight Black Boys Look Blue(月の光の下で、美しいブルーに輝く)」で、長編2作目となるバリー・ジェンキンス監督によって脚本・映画化された。大人になって知り合った2人だが、偶然にも同じマイアミ出身で、同時期に同じ公営住宅から同じ小学校、中学校に通い、重度麻薬中毒者の母親に育てられるという共通の体験をしている。

 

9. プランBとの出会い

 ブラット・ピットが創立したプランBエンターテインメントは、『それでも夜は明ける』や『グローリー/明日への行進』など、マイノリティを描いた作品を含む数多くの傑作を製作してきた。プランBの経営陣はジェンキンス監督の長編デビュー作を観て以来、その豊かで複雑な感情表現と美しい映像表現を絶賛していて、『ムーンライト』の脚本を読むとすぐに契約をしたという。

 

10. 主人公はマイノリティの中のマイノリティ

 ジェンキンス監督はアカデミー賞脚色賞の受賞スピーチで「自分の人生を映す鏡がどこにもないと感じている人たち、僕たちは君たちを支えていく。」と高らかに宣言して感動を呼んだ。『ムーンライト』はこれまで脇役にしかなり得なかった黒人のゲイを主役に据えたことが画期的だが、それ以上に人種、性別、階級などの垣根を軽やかに飛び越えて迫ってくるところが大きな魅力である。観客が登場人物に自分を重ね合わせて共感を得ることがヒットの鉄則と言われる映画ビジネス界で、マイノリティの中のマイノリティの映画が最高賞を受賞したことに、映画界からは惜しみない賛辞が送られている。

 

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(C)2016 A24 Distribution, LLC

 

 

『ムーンライト』作品詳細はこちら

 

 

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