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2019.5.23

『Fukushima 50』クランクアップ記者会見リポート

FORUM SELECTION

 

 東電福島第一原発事故に対応した無名の作業員たちの葛藤を描く映画『Fukushima50(フクシマ・フィフティ)』の撮影が終わり、節目の記者会見が4月17日に東京で開かれました。主演の佐藤浩市さん(暗闇の中央制御室にいた伊崎利夫当直長 役)と渡辺謙さん(緊急対策室で現場の指揮に当たった吉田昌郎第一原発所長 役)が登壇。映画製作の記者会見は和やかな雰囲気が通例ですが、今回は二人とも緊迫した表情で、終始、言葉を選びながら臨んだ90分間の会見でした。その状況の一端をお伝えします。(*以下、敬称略)

 

 

fukushima50 

 

 

渡辺 「吉田所長役の話はこれまでもあったが、僕らの仕事はエンタテインメント。どう描くのかと僕自身が一歩も踏み出せないまま8年が過ぎた。今回は伊崎をはじめとする人々の人間模様に吉田所長が関わる、それなら納得してやれると思えました」。

 

佐藤 「これだけ話題の少ない映画の会見は初めて。短時間のこの会見で感じたことを、メディアの皆さんがその筆力で書き起こしてもらえれば…」。

 

 二人ともこの映画に関わることへの懊悩と同時に、責任とやりがいを深く自覚している様子が伝わってきました。よくありがちな予定調和的な物言いが一切なく、言葉がこれほど迫ってくる興味深い会見はあまり記憶にありません。

 

 

 渡辺 「『硫黄島からの手紙』の時に思ったことですが、自分も含めこの国の民意は、事を論理的に継承して後世に何を残していくかということがあまり上手じゃない、という気がしています。原発事故をきちんと検証し、それを後代にどう継承していくか問いかけたい」。

 
 本作の監督が過去に主演した『沈まぬ太陽』(09年)の若松節朗監督であること、また『硫黄島からの手紙』(06年)でクリント・イーストウッド監督との仕事を通じて得た、エンタメでありつつ強い社会的メッセージも担う映画への確信を再び示せるという予感が、彼をこの映画出演へ踏み切らせたコメントも印象的でした。

 

 

 来年は五輪イヤーとなる2020年。「終わっていないどころか始まってすらいないのかもしれない」(佐藤)、日本中の人々に福島の原発事故を忘れさせない、という強い意志が確認できた記者会見でした。

 

 

 (フォーラム福島 支配人 阿部 泰宏)

©2020「Fukushima 50」製作委員会

 

 

 

 

 

 

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