お使いのブラウザは本サイトではサポートされておりません。

FORUM CHINEMA NETWORK フォーラムシネマネットワーク

メッセージ from フォーラム

フォーラム山形創業33周年、福島30周年、盛岡24周年、仙台18周年、八戸14周年、那須塩原8周年、東根7周年

2017.7.25

フォーラム山形2

 

 この夏フォーラム山形は創業33周年を迎えます。当時の県庁所在地クラスの街の映画状況は、シネコンはまだなく、ビデオやDVDもなく、日本映画は東宝・東映・松竹がそれぞれの直営館を持ち、洋画は娯楽映画の大作だけが公開され、岩波ホールで上映されるような”作家の映画”や“アートな映画”は地方都市ではほとんど上映されませんでした。そんな、こだわりの映画こそ、映画ファンにとっては日常的に出会いたい映画です。そんな映画を上映し続けられる映画館を創ろう!というのが、フォーラム創業の原点です。ペアシアター、トリプルシアターにすることで経営を安定させ、作品本位の選定を可能にする。そしてそんな映画館を支える観客集団を会員として優遇するというのがフォーラム方式でした。

 

  床に段差をつけ、前の人の頭が画面にかからないようにするとか、床にカーペットを敷くとか、今ではどこでも当たり前のことが当時は唯一フォーラムだけだったので、開業当初からお客様で賑わうことができました。3年後には山形と同様に映画状況に恵まれていなかった福島市に進出しました。福島はペアシアターが3つになるほど発展しましたが、10年後の1998年、外資系のシネコンが開業して厳しい状態に追い詰められました。

  当時、同一市内にシネコンが進出すると、既存館は2~3年後に必ず廃業に追い込まれていました。当時のシネコンは娯楽映画専門で、フォーラムのような多様な作品に挑戦する姿勢はありませんでした。福島の映画ファンたちは、「福島フォーラムを存続させる会」を作って支援してくださいました。全く奇跡的に福島フォーラムは、それから20年、生き残りました。この夏30周年です。本当にありがとうございました。これからもよろしくお願い致します。

 

 フォーラムは2000年以降、「娯楽映画を全部上映し、かつ、それと同じ数だけのアート系・単館系の作品群も上映する」という、日本で初めてのフォーラム方式のシネコンの有り様を追求し、シネコン建設に着手しました。山形はソラリス・フォーラムの2館で11スクリーンとなり、規模的にも財政的にもフォーラムシネマネットワーク全体の中心的存在でしたが、2008年に他社の郊外型シネコンが進出して以降、村山地区に4つのシネコンが乱立する時代を迎え、山形・東根で連携を取りながら生き残りをかけているというのが実情です。

 

 1993年に、休館中の映画館を引き受けてスタートした盛岡は、2年後にはトリプルシアターとなり、2006年にはMOSSビルの新築により7スクリーンのシネコンとなりました。その後、2スクリーンの別館、アートフォーラムを加え、全部で9スクリーンの街中シネコンとして安定した運営を行っていますが、娯楽映画の上映本数が想定以上に増え、アート系・単館系作品の上映にしわ寄せがきているのが実情です。今後、アート系・単館系の作品群を確実に上映できるように、補完館の増設が課題です。

 

 仙台は、1999年にトリプルシアターの新館でスタートし、その後チネ・ラヴィータを増館して、中心街に残された数少ない映画館として運営してきましたが、昨年夏にTOHOシネマズ仙台が仙台駅前に開業しました。フォーラム仙台/チネ・ラヴィータは、これまで以上に番組編成を豊かにし、生き残りをかけて努力しています。

 

 2009年に開業した那須塩原は、県北唯一の映画館として栃木県内はもとより、映画館空白地となっている福島県南部(白河市周辺)からも集客し、驚くほど広範囲から来てくださっています。昨年末に最新型の4DXを導入し、ますます広範囲集客のシアターになると思われます。

 

 2010年に開業した東根は、不幸にも開業直後に東日本大震災に見舞われ、またお隣の天童市にシネコンが開業し、村山地区に4サイト39スクリーンという激戦地区になっています。生き残りをかけた戦いは続いています。皆様のご支援、よろしくお願い致します。

 

 フォーラム八戸は、郊外型シネコンの開業により、人口25万人の八戸から映画館が全くなくなったことから起こった「市民の映画館を創る会」の運動から2003年に生まれました。開業から14年間にわたり駐車場無料サービスを行ってきましたが、9月1日から1台100円の駐車料金を頂くことになりました。末永い営業を続けるための苦渋の選択となります。八戸の映画ファンの皆様には大変ご迷惑をおかけしますが、今後も“市民の映画館”の名に恥じぬ素敵な映画を上映し続けます。今後も変わらぬ、熱い熱いご支援・ご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。

 

今年の夏は、例年以上に娯楽映画が好調です。8月登場の作品群も充実していて大ヒットが期待できます。そんな中でも、アート系・単館系の作品群も切れ目なく上映を続けています。フォーラムシネマネットワークが展開している7都市の映画ファンの皆々様、末永いご支援・ご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。

2017.7.25

フォーラムシネマネットワーク 代表 長澤裕二

最近の記事
バックナンバー