メッセージ from フォーラム
本年No.1のイチオシ映画『空飛ぶタイヤ』『万引き家族』『妻よ薔薇のように 家族はつらいよIII』
2018.5.18
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(C)2018フジテレビジョン ギャガ AOI Pro. (C)2018「妻よ薔薇のように 家族はつらいよIII」製作委員会
6月は心に残る映画が続々と登場しますが、その中でダントツのイチオシが6月15日(金)公開の『空飛ぶタイヤ』です。テレビではすでに大人気になっている池井戸潤原作の初映画化作品です。
ある日突然トレーラーのタイヤが外れ、歩道を歩いていた母子を死傷させます。整備不良を疑われた運送会社の整備は法定以上に完全でした。しかしトラックメーカーの調査結果は"整備不良"。再調査を依頼してもメーカーは逃げ回ります。同じメーカーの車による事故が全国で起こっていることが判明し、メーカーのリコール隠しの疑いが深まりますが、取材していたマスコミは、大スポンサーであることに配慮して、記事はボツになってしまいます。
風評被害での売上減もあり、運送会社は岐路に立たされます。事故原因の独自調査もしていますが、メーカーが原因部品を返却しないという妨害も受け、なかなか真実にたどり着けない中、取引銀行についに最後通告を突きつけられてしまいます。中小企業社長の進退もここに極まってしまいますが…。さて、ここからは映画をご覧ください。ともかく多様な人々が人生をかけて衝突する人間ドラマです。どんな立場の人でも2度、3度と楽しめる映画です。2018年を代表する傑作です。
6月の2本目は、大好きな是枝裕和監督の『万引き家族』です。様々な家族のかたちを描いた作品を発表している是枝監督ですが、今回の”家族”のかたち、そして”家族”が崩壊して一人ひとりの思いが明らかになっていくところはさすがと思わせる秀作になっています。6月8日(金)全地区で公開します。
3本目は、実は先月試写を観逃していた5月25日(金)公開の『妻よ薔薇のように 家族はつらいよIII』です。シリーズ3作目ですが、今度の”妻の反乱”は喜劇として楽しむには最高のテーマです。山田洋次監督の長いキャリアの中でも最高レベルの傑作です。お楽しみください。
6月8日(金)公開の『羊と鋼の森』は、タイトルからして大好きです。ピアノの調律という一般の人には馴染みのない世界の映画ですが、音痴の私でも楽しめる不思議な映画です。
『焼肉ドラゴン』は上映サイトは少ないのですが、順次上映となるサイトもたくさんあります。高度経済成長期、大阪万博の開催される1970年。関西の地方都市の在日韓国朝鮮人の焼肉屋を舞台にしたドラマです。ご注目ください。私は大好きです。
外国映画では6月15日(金)公開の『ワンダー 君は太陽』をオススメします。遺伝子疾患のためヘルメットで顔を隠して生きてきた男の子が、10歳で初めて学校に行き周りを変えてゆく奇跡の映画です。オススメです。
外国映画のもう1本は6月22日(金)公開の『オンリー・ザ・ブレイブ』。アリゾナ州の山林火災に立ち向かった消防隊員の実話の映画です。
単館系・ミニシアター系の作品は各サイト上映時期はバラバラですが、観逃してほしくない作品のタイトルを挙げておきます。『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』『モリのいる場所』『君の名前で僕を呼んで』です。
先月のイチオシ『ダンガル きっと、つよくなる』『友罪』『犬ケ島』もぜひご覧ください。いい映画をしっかり楽しんで、夏に備えてください。
2018.5.18
フォーラムシネマネットワーク 代表 長澤裕二
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