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アカデミー賞ノミネート作品が公開されます

2012.2.1

 アカデミー賞の発表が近づいてきました。有力なのは「ヒューゴの不思議な発明」と「アーティスト」と見られているようです。どちらも素晴らしい映画ですが、個人的に、一番アカデミー賞を取って欲しいと思ったのは「ヘルプ~心がつなぐストーリー」です。1962年のアメリカ南部、つい最近の話なのに、まだまだ黒人は決定的に差別されていました。「ヘルプ」というのは、黒人のお手伝いさん。白人家庭は彼女たちに頼りっきりなのに、トイレも共用させない程の差別。そしてある時、彼女たちが真実を語り出した…。アカデミー賞は作品賞の他、主演女優賞と助演女優賞に 2名がノミネートされるという、“女性映画”ぶり。結果、主演女優賞ひとつだけの受賞に終わるかもしれませんが、個人的には今年ベストワンの傑作です。感動の熱い涙がじわーんときます。

 「ヒューゴ」「アーティスト」は、映画ファンを大喜びさせる名作です。「ヒューゴ」は 3月1日から上映が始まりますが、作中の登場人物でもあるジョルジュ・メリエス(世界初の映画監督と言われる人物)の、「月世界旅行」を含む短篇 15 作品の無料上映会を開くことになりました。是非とも1週目に「ヒューゴ」をご覧になって、「メリエス」の上映会にもお出かけください。映画の黎明期を背景にした、映画ファンのための、大人の映画です。

 「アーティスト」は、サイレントからトーキーへの移行期を背景にした、往年の名優と新人女優の恋物語。これを作品賞の大本命に上げる人も多いのは納得です。

 「ミッドナイト・イン・パリ」も映画ファンならはずせない 1 作です。憧れの 1920 年代に夜な夜なタイムスリップするという、久々のウッディ・アレン監督作。オリジナル脚本賞も有力です。5月か6月の公開予定です。

 「ファミリー・ツリー」も心に残る名作です。作品賞は難しいかもしれませんが、脚色賞、主演男優賞は有力かと思います。5 月中旬公開です。 3月2日公開の「戦火の馬」も、作品賞には遠いかもしれませんが、力作です。「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」も、上映中のノミネート作品です。ぜひ、お見逃しなく。

 主演女優賞ノミネートの「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」は、あまりにも近い時代の実話の映画です。さすがメリル・ストリープ。見応え十分な演技です。でも、主演女優賞で一番の衝撃は、「マリリン 7日間の恋」のミシェル・ウィリアムズです。生身のモンローの可愛らしさに魅せられてしまいました。映画も傑作です。公開本数が限られているので、公開は 5月か6月になります。 アカデミー賞とは無縁かも知れませんが、「ドラゴン・タトゥーの女」がすごいです。スウェーデン版より圧倒的な見応えです。さすがハリウッドの娯楽映画。続編が楽しみです。 「僕等がいた」前・後篇を続けて観ました。60 代になった私が観ても、けっこう心がはずむ映画です。原作とは無縁だった私でも、この恋の波瀾万丈ぶりをしっかり楽しめました。観客の中心は10代、20代の人たちでしょうが、全世代が楽しめる恋物語になっています。

 昨年から、映画業界の不況が続いています。この春、アカデミー賞受賞作品の大ヒットから、映画の復活を期待します。フォーラムは今日も、感動の映画を取りそろえてお待ちしております。

2012年2月23日
(フォーラムネットワーク 代表 長澤裕二)

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