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9月は見応えのある映画の季節です!

2012.9.1

 夏映画、終わってみればトップはやはり『海猿』で70億円。2位は『おおかみこどもの雨と雪』が40億円を目指せる勢い。以下、『アベンジャーズ』『プロメテウス』『ポケモン』が30億円超え、『ダークナイト ライジング』『マダガスカル』『ヘルタースケルター』『あなたへ』『るろうに剣心』が 20億円前後と、ますまずの成績ながら、夏トータルとしてはほぼ平年並み。映画界は去年の不況からまだ脱却できないでいます。

 さて9月です。今月一番の大作は『踊る大捜査線』の最終作。テレビシリーズと映画1作目は最高のクオリティで、ファンも多いのですが、実写の日本映画の最高記録を打ち立てた第2作、そして一昨年の第3作がちょっと物足りなかったので、今回の最終作がどこまで観てもらえるのか。『海猿』の70 億円を超えられるか。本当にこれでおしまいの最終作です。みんなでお見送りをしましょう。

 外国映画の一番の大作は『バイオ・ハザードV リトリビューション』。前作は3D効果で大ヒットし50億円近くまで伸びましたが、今回はどこまでがんばれるか。 『天地明察』は秋らしい名作です。江戸時代に、数学がここまで進んでいたとは驚きです。また、日蝕を予測し、新しい暦を作るお話ですが、実に感動的な映画です。今月一番のおすすめ映画です。

 同じ9月15日に始まる『鍵泥棒のメソッド』は、内田けんじ監督、期待の第3作です。時間と空間のトリックの面白さに、今回は記憶喪失まで加わって、実に複雑なストーリーです。第1作の『運命じゃない人』はPFFのスカラシップで作られた、タイムスパイラルムービー。脚本が秀逸で、フォーラムでは3回も上映しています。シナリオが面白ければ映画は成功する!ことを証明した傑作でした。2作目の『アフタースクール』は、シナリオの面白さにスターが加わり、大泉洋、堺雅人、佐々木蔵之介、常盤貴子などの実力者を揃えて楽しませてくれました。『運命じゃない人』の10 倍近い大ヒットでした。

 さて今回も、堺雅人、香川照之、広末涼子、荒川良々、森口瑤子と、スターが勢揃い! さらに全国150館公開という大作になりました。テレビでの宣伝は『天地明察』にかないませんが、映画の面白さは保証します。デビュー作から応援している内田けんじ監督第3作、必ず観てください。

 『蛇イチゴ』『ゆれる』『ディア・ドクター』の西川美和監督の最新作『夢売るふたり』も、かつてないほどの公開規模です。『鍵泥棒のメソッド』より10館くらい多いのに、フォーラムは仙台、八戸、那須が同発リストから外されてしまいました。配給方針は配給会社が決めるので、残念ですが仕方ありません。

 『夢売るふたり』と『鍵泥棒のメソッド』。ディープな映画ファンには2本共はずせないと思いますが、今回も、どちらも傑作です。今年度のベストテンで、首位争いを演じることになると思います。

 8月25日から始まった『闇金ウシジマくん』も実は同規模の公開です。ほぼ各県1館でフォーラム6地区で上映しています。そしてなぜか、山形の成績が目立って良いのです。人数では東北地区トップ。盛岡、福島のほぼ2倍。山形って闇金が切実な問題なのかなぁ。

2012年8月31日
(フォーラムネットワーク 代表 長澤裕二)

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