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観終わってしばらく言葉が出ない!『ゼロ・ダーク・サーティ』

2013.2.1

 『アウトロー』観ました。最近、日本映画が面白くなったと言ってもこういう超一級の娯楽映画はハリウッドの独壇場です。ストーリーの切れもスター俳優のけれん味も、ハリウッドにはまだまだ足元にも及びません。ハリウッドの娯楽映画でさえこうなのだから、日本の映画ファンが世界の映画の深さ、バラエティの豊かさを再発見してほしい! と願わずにはいられません。

 ということで、今月の一押し映画ですが、アカデミー賞にもノミネートされた『ゼロ・ダーク・サーティ』です。9.11テロを引き起こしたアルカイダの首謀者オサマ・ビンラディンに、CIAの女性アナリストが調査を重ねてたどり着き、9.11から10年後に米軍が殺害するまでの話です。

 3年前『ハート・ロッカー』でアカデミー作品賞・監督賞をダブル受賞したキャスリン・ビグロー監督ですが、あの賞は早すぎた! 今回の『ゼロ・ダーク・サーティ』こそ、アカデミー賞にぴったりの大傑作です(3年前にもらったばかりですから、今回の受賞はないと思いますが)。

 軽くはなく、ズシンとした感動がありますが、むずかしい映画ではありません。最近、日本映画しか見ていない方も是非ご覧ください。

 ちなみに、タイトルの意味はビンラディンのアジトに突入した時間、夜中の0時30分ということだそうです。

 日本映画の一押しは『横道世之介』。こんな奴なら、おれも会いたかったと思う、ほのぼのしたいい奴です。あまりに良かったので、すぐ原作小説も読みました。この映画、ほとんど原作通りに撮ったんだと、感心しながらまた感動しました。

 女性には『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』が一押しです。男に比べたら、女性は気楽でいいよなあと、60年間思っていましたが、今の時代、女性も大変だな、と認識を改めました。そういう意味では、男性にこそ見ていただきたい映画でもあります。共存を求める方におすすめします。

 期待が大きく評判がいいのに、試写を見逃しているのが、『ムーンライズ・キングダム』と『声をかくす人』。劇場で公開時に観ることになります。

 『きいろいゾウ』『グッモーエビアン!』『王になった男』『草原の椅子』は試写を観て良かったと思いました。東京と同発だったり一か月遅れの公開だったりしますが、それは配給会社の方針で決まります。  『みなさん、さようなら』は試写でふるえて、仙台、山形を東京と同発にお願いしました。監督のキャンペーンもお願いしていたのですが…。

 一週間の上映ながら、『ファースト・ポジション 夢に向かって踊れ!』はおすすめします。バレエ・ダンサーを目指す少年少女たちのドキュメンタリーですが、涙なくして観られない感動作です。

 今月から「試写室だより」が始まりました。番組編成担当者が若い感覚でリポートします。"世代交代"です。

2013年1月19日
(フォーラムネットワーク 代表 長澤裕二)

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