メッセージ from フォーラム
ディカプリオにアカデミー主演男優賞を!
2014.1.1
アカデミー賞のノミネートが発表されました。作品賞は『アメリカン・ハッスル』『キャプテン・フィリップス』『ダラス・バイヤーズ・クラブ』『ゼロ・グラビティ』『her/世界でひとつの彼女』『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』『あなたを抱きしめる日まで』『それでも夜は明ける』『ウルフ・オブ・ウォールストリート』の9作品です。日本公開が6月になる『her/世界でひとつの彼女』以外の8作品を観ることができました。
今年は本当に有力な作品が多く、どれが受賞するのか予想するのが難しい年です。ただ、個人的な希望としては、毎回有力と云われながら、なかなか受賞できないでいるレオナルド・ディカプリオに今年こそ主演男優賞を獲っていただきたいと思います。『ウルフ・オブ・ウォールストリート』は、有力作品が多い中でも最有力だと思います。実在の株式ブローカー、ジョーダン・ベルフォードの半生をモデルに、わずか26歳で4900万ドルを稼ぎ出し、欲望のままに生きた男の強烈な人生を描き出しています。
上映はすでに始まっていますが、全国で242館も上映するのに、宮城以外の東北は9週間後の4月5日に遅れての公開となります。アメリカ・メジャーの一つパラマウントの作品なのに、プリント制限で9週間も遅れるなんて、とても残念です。
『ゼロ・グラビティ』は、全く新しい映画体験を提供したことで、できれば"作品賞"で遇してあげたい映画です。この映画も半年後にDVDで観る人はたくさんいるのでしょうが、この映画こそスクリーンで、3Dで体験すべき映画です。
さて、フォーラムはこの夏、開業30周年を迎えます。フォーラム1・2を山形市大手町に開業したのは1984年7月。東北ではほとんど公開されなかったアート系映画も、一般ロードショー作品と混在させながら上映していく、"映画ファンのための映画館"というコンセプトで誕生し、15年後、シネコンの時代を迎える中でも、一貫してそんなフォーラムの在りようを追及し続けてきました。そして現在、娯楽性の高い作品ばかりでなく、地方では集客が難しいといわれる芸術性の高い作品でもお客様の支持を集める、映画ファンに支えられた映画館として、フォーラムは全国的に見ても特異な位置を占めています。
フォーラム開業前の映画状況を憶えていらっしゃる方は、思い出してください。レンタルビデオも、ネットもなかった時代。普通の映画館で上映される映画はロードショーの作品に限られ、それ以外の映画は東京まで行かなければ観られなかったことを。
そんな寒い映画状況を何とか変えるため、私たちは「えいあいれん」の活動を始め、そしてフォーラムを作りました。それから30年。山形でまかれた種は、東北・栃木の各都市にも花を咲かせました。
しかし、映画をめぐる環境は激変しています。
レンタルビデオすら衰退を見せ始め、いまやスマホでいつでもどこでも映画を観られる時代になってしまいました。そんな時代の流れの中で、映画館は生き残っていけるのか、それは誰にもわかりません。けれど映画館で観る映画の感動は何物にも替えがたいものだと信じています。これから10年後も、20年後も、映画ファンに愛されるフォーラムであり続けるために、せいいっぱい頑張ってまいります。ご支援のほど、よろしくお願いいたします。
2014年1月30日
(フォーラムネットワーク 代表 長澤裕二)
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