メッセージ from フォーラム
『俺物語!!』『グラスホッパー』『起終点駅 ターミナル』『レインツリーの国』
2015.10.1
©アルコ・河原和音/集英社 ©2015映画「俺物語!!」製作委員会
『俺物語!!』公式サイトはこちら
先月、注目しておすすめした『マイ・インターン』は、静かにヒットを続けています。ジワジワとクチコミで支持の輪が広がっているのが感じられます。上映回数が減っても確実にご覧ください。本当に、この秋一番のおすすめです。10年後にも、あの映画はよかったと思いだされる、映画史上の名作になると思います。スクリーンでの出会いを誇れる映画になります。もう一押しのクチコミをよろしくお願いいたします。
先月取り上げなかった『バクマン。』の数字が落ちません。「ジャンプ」への連載を目指す2人の高校生の人生の闘いの映画に、若者たちの支持が熱く熱く寄せられています。クールに見える若者世代にも、『バクマン。』の主人公たちの熱い生き方に共感が生まれているのが感じられます。頑張れ!若者たち。ロングランを目指せ、『バクマン。』!
『ギャラクシー街道』は三谷幸喜らしい、横綱映画の大ヒットになりました。登場するキャラクターはこれまでの三谷作品よりもさらに過激になった感もありますので、クチコミがどう広がるか見守りたいと思います。
先週、試写を観てビックリしたのは『俺物語!!』。こんな、男にとっても魅力的な映画の原作が少女コミックだというのがまずビックリ。しかも、2013年「このマンガがすごい!」オンナ編第一位に輝き、2013年「講談社漫画賞少女部門」も受賞というのだからまたビックリ。こんなに純で、男くさい主人公が登場する少女漫画への評価がここまで高かったとは。全く何も知らずにいきなり映画を観て、主人公の剛田猛雄を演じているのが、あの朝ドラで初めて顔を見た、31歳の鈴木亮平が30キロも体重を増やして高校1年生の役を演じ、弱冠15歳の新人、永野芽郁とガチで共演しているのだから3度ビックリです。
映画がまた、すごくいい。今回の映画は、原作的にはかなり最初の部分らしいので、ひょっとするとシリーズ化されるほどの大ヒットになるのではないかという予感がします。日本映画ではこの秋最大のヒットとなるであろう『ギャラクシー街道』と、いい勝負になると期待しています。全くのダークホースが現れた感じです。原作マンガを私が知らなかっただけだとは思いますが、この映画の衝撃は本物です。
その他の11月の注目作は『グラスホッパー』『起終点駅 ターミナル』『レインツリーの国』。この3本、原作がそれぞれベストセラーなうえ、映画もかなりおすすめできる内容です。どれも好きな映画なので、健闘を祈りたいと思います。
さて、外国映画では『PAN ネバーランド、夢のはじまり』と『リトルプリンス 星の王子さまと私』が楽しめました。それぞれ世界的に有名な「ピーターパン」「星の王子さま」を原作に、ちょっと視点を変えた物語になっているのが面白いです。私は大好きです。
『エベレスト3D』もとてもいい映画です。1996年にエベレストで起きた実話を描いた映画ですが、嵐と酸欠で「デス・ゾーン」と呼ばれる極限状況に置かれた人々のサバイバルが、リアルな体験として迫ってきます。
早いもので、お正月映画の試写が始まりました。『杉原千畝 スギハラチウネ』はとてもいい映画でした。来週は『007 スペクター』を観ます。
派手なお正月映画が登場する前に、11月は秋の名作をじっくりとお楽しみいただきたいと思います。
2015年10月25日
(フォーラムネットワーク 代表 長澤裕二)
最近の記事
2023.4.5
儲からない映画を上映する映画館をつくるなら、これはライフワークになる!
2023.3.23