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2020.2.14
『1917 命をかけた伝令』ワンカットで戦場を駆け抜けるクレイジーな未体験映像
FORUM SELECTION
映画の歴史において、次々と新しいタイプの映画が登場し、そのたびに観客は度肝を抜かれますが、この映画はまさしく「一体どうやって撮影したのか!?」と驚愕せざるを得ない作りとなっています。カメラはまったく手ブレせずに縦横無尽に四方八方を映し、時には浮かび上がって俯瞰で戦場を捉えたり、時には兵士の目線で塹壕を進んだりしていきます。「全編を通してワンカットに見える映像」と聞くと『バードマン あるいは (無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(2014) を連想する方も多いと思いますが、本作は一瞬たりとも油断できない戦場が舞台となり、夜明けまでというタイムリミットが迫る中、たった2人で1600人の仲間を救いに行く緊迫感と臨場感に圧倒されます。
監督は『007/スカイフォール』でも驚愕の映像を作り上げた名匠サム・メンデス。実際に第一次世界大戦に従軍した祖父から聞いた体験談をもとに、長年にわたって企画を温め、みずから脚本にも関わっています。脚本はワンカットで撮影することが前提となって書かれており、それを実現したのが『ブレードランナー2049』でアカデミー賞撮影賞を受賞した天才撮影監督ロジャー・ディーキンス。撮影方法はまるで《バレエダンス》のように息を合わせてカメラマンからカメラマンに、ときにはワイヤーにつながれた空中のカメラマンにカメラがバトンタッチされていくという神業です。
それにしても、1000万人以上の犠牲者を出した第一次世界大戦の、たった21年後に5000万人以上の犠牲者を出した第二次世界大戦が起こったという事実に戦慄します。実は第一次世界大戦の前は現代よりも貧富の差が激しく、そういった経済の歪みが二度の世界大戦につながったという説もあります。格差の広がりを防ぐ政治的な仕組みが、平和維持には欠かせないのかもしれません。
予告やメイキング映像を見たときから期待が高まっていた本作ですが、期待を超える傑作の登場です。ぜひご覧ください。
(フォーラムシネマネットワーク番組編成 長澤 純)
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