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2018.2.22
不思議な魅力に満ちたファンタジー・ロマンス『シェイプ・オブ・ウォーター』
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昨年12月のある日、『リメンバー・ミー』『スリー・ビルボード』『シェイプ・オブ・ウォーター』の試写を続けて観るという衝撃の一日を過ごしたのですが、最後に観た本作は不思議な魅力に満ちていて幸せな気分で帰路につきました。
『シザー・ハンズ』『オペラ座の怪人』『美女と野獣』など、マイノリティに惹かれていく主人公の気持ちになぜここまで感情移入できるのか? それは誰しも同じように疎外感を感じたり、自分だけ周りと違っていることを恐れたりしているからではないでしょうか。本作のイライザは、幼いころのトラウマから声を出すことができません。毎日決まった時間に起き、決まった日課をこなし、機械的に自宅と職場を往復する生活。心を開く相手は同僚のゼルダとアパートの隣人ジャイルズのみ。そんな彼女が“彼”に出会うことで、すべてが変わっていきます。
とにかくセリフなしでヒロインの心の変化を表現したサリー・ホーキンスの演技が光ります。手話を使って悲しみを訴える姿は、静かさも相まって荘厳とすら感じます。彼女の実力を見抜き、彼女を想定して脚本を書いたデル・トロ監督は先見の明があり過ぎです。二面性のある悪役を演じたマイケル・シャノンをはじめ、脚本は特定の役者を想定して書かれており、絶妙なアンサンブルが成立しています。
とても人間的な温かいラブストーリーでありながら、神話のようでもある奇跡のファンタジー・ロマンスです。サスペンスの要素も多く、ハラハラさせる展開となりますので、老若男女問わずどなたにでも十分楽しんでいただけます。全編に流れる音楽も美しく印象的。アカデミー賞の受賞記録も気になりますが、観れば長く記憶に残る1本となります。ぜひご覧ください。
(フォーラムシネマネットワーク番組編成 長澤純)
(C)2017 Twentieth Century Fox
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