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2018.2.26
頼りなかった女社長が周りをあっと言わせる痛快作『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』
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ポスターを見る限り、やり手の女社長が男たちを率いて権力と戦うストーリーに見えがちですが、試写を観ると印象がガラリと変わりました。メリル・ストリープ演じるキャサリン・グラハムは、夫の急死により突然「ワシントン・ポスト」の社長に就任するものの、経験も知識もなく周りから軽んじられます。キャサリン自身が、「自分にも立派に経営できる」という自信がないのだから仕方がありません。1971年はまだ女性差別が歴然としていて、会社の取締役会も銀行家も、女性経営者に対して冷たかったことも災いしました。
キャサリンの立場は特殊なようですが、私たちも新しいことに挑戦したときや、今までやったことのない仕事を任されたりしたときは、キャサリン同様に自信が持てないのではないでしょうか。キャサリンも最初のうちは重要な判断を自分で下すことができず、周りの意見に従いながら何とか仕事をこなします。その姿に、思わず自分の姿を重ねて観てしまいました。それがある瞬間から腹を決めて、自分の意見を主張し始める姿には感動を覚えます。昨年公開の名作『ドリーム』にも通じる、痛快な成長物語です。「報道の自由」や「権力との闘争」という視点でも十分に見応えのある作品ですが、こういった視点でも本作をお楽しみいただけます。
映画『否定と肯定』で、「自分ならナチスの時代に生まれても権力に抵抗して命令には従わなかった、と現代人が言うのは簡単だが、実際には巨大な勢力に押しつぶされる恐怖に勝つのは簡単ではない」というくだりがあります。現代にはナチスもニクソン大統領もいませんが、力や恐怖で相手を従わせようとする勢力と戦う勇気を持てるかというのは、どの時代にも問われると思います。ぜひご覧ください。
(フォーラムシネマネットワーク番組編成 長澤純)
(C)Twentieth Century Fox Film Corporation and Storyteller Distribution Co., LLC.
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